第26回「ピクルス」

投稿日: 2014年08月18日(月)15:16

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夏が来ました!
太陽サンサン。
美里の朝は小鳥の声…ではなく、草刈り機のブンブンなる音で始まります。
田舎の朝はみんな早起き!
さて、お日様の力をそのカラダいっぱいに詰め込んだ立派な夏野菜をいただくことが増えてきました。
茄子、ピーマン、ししとう、トマト、ゴーヤなどなど、夏のお野菜バンザイな毎日。
ところが、そんな美味しい野菜たちの中で、ほんの少しみんなを困らせている野菜がいるようです。
奴の名はきゅうり!
おやつに梅や味噌をつけて食べたり、毎日のサラダに・・・と大活躍なのですが、田舎は一度にいただく量がすごいんですよね。
しかもそれほど日持ちする野菜でもなく、気がつくと冷蔵庫の中で死んでたり。
というわけで今回のめぐみごはんは、大量のきゅうりをメインに、美味しく夏野菜を消費&保存できる「ピクルスの作り方」をお送りします。

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さて、ピクルス。
わたし、大好きなんですけど、そんなに馴染みじゃない方も多いかもしれません。
なんとなくお洒落な西洋のお漬物?庶民には関係ないわーって私もかつては思ってたし、学生時代にはその名を思い出せず「ほらあれ、ほらハンバーガーに挟まってるあれ!えーと、そう!ピラルク!」と皆の失笑を買ったことすらある・・・。

そんな私がピクルスの味に目覚めたのは、二人目の赤子がお腹に宿った時のこと。
妊娠中の味覚の変化で、マクドナルドのハンバーガーが異常に美味しく感じられ、そこに入ったピクルスは私のつわりにガツンと効いたのです。
マクドのハンバーガーにピクルス5〜6枚をぎっしりと挟み込み食卓に添える。
「ハンバーガーは飲み物」と言い放ち、冷蔵庫にはいつもピクルス。
ともあれその美味しさに目覚め、翌年からはピクルス作りに欠かせないハーブ、ディルから手作りを始めました。

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畑から採ってきたディル。
すでにピクルス独特の香りがしています。ぐー。
さあ、早速作っていきましょう。

保存瓶を煮沸し、水洗いしてカットした野菜を入れます。
お酢500ccと塩大匙1と白ワイン大匙2(省略可)。
そしてディルの花とお好みのスパイス(我が家は鷹のつめ、ブラックペッパー、ローリエ、マスタードシード代わりのからし菜の種)をお鍋でグツグツと煮ていきます。

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そうしてできあがったピクルス液を野菜を入れた瓶に注ぎます。
ピクルス液が足りなければ、少しのお水を足して、今度は瓶ごと20分ほど煮沸します。

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すぐに食べる分は、冷まして蓋をして冷蔵庫へ。一週間ほどで美味しくいただけます。
長期保存するものは、脱気処理して完成。一年くらいは余裕で保存できますが、我が家は一年を待たずになくなってしまいます。

さて、我が家は毎朝パン食です。
お皿の隅に添えた2切れのピクルスが、寝ぼけた頭にシャキン!ときます。
シャキシャキとしたきゅうりの歯ごたえとピクルス液の甘酸っぱさが、夏の朝に本当に美味しい。

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もちろん朝食以外でもピクルスを食べますよ。
というのもピクルスは、油を使った料理との相性が抜群!
我が家はハンバーグはもちろん、コロッケやフライなどの揚げ物には必ず添えてパクパク。
チャーハンに添えたり、カレーに添えても美味しい。
また、豆腐の上に刻んだピクルスを乗せて、洋風の冷奴にすれば立派な副菜。

ちなみに今回は、きゅうりの他にミニ玉ねぎ、青トマト、にんじん、オクラ、みょうが、青唐辛子、大豆、水きりした豆腐を漬けてみました。
きゅうりのイメージの強いピクルスですが、案外なんでも漬けれてしまうんですね。
しっかりと水切りした豆腐のピクルスはオリーブオイルを足してトマトと食せば、あっさりとしたチーズのよう。
ディルの風味がしっかりと豆腐に馴染んで、美味しかったです。

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沢山のお野菜を漬けましたが、それでも断トツ(といっても判定しているのは私と夫2人)人気はきゅうりです。
酸っぱい料理が苦手な夫がパリパリ食べます。
ちなみに我が家のピクルスは砂糖を入れないので、かなり酸っぱめ。
子どものことは考えずに作ってます。
お子様にも食べさせたい方は、先ほどのピクルス液に砂糖を適宜足したほうがよさそうです。

きゅうり。
「毒多くして能無し。植えるべからず」と徳川光圀(水戸黄門)が語り、「これ瓜類の下品なり。味良からず、かつ小毒あり」と貝原益軒は書物に記したという。
栄養価が最も低い野菜としてギネスブックにも載り、トマトと一緒に食せば、トマトのビタミンを破壊する・・・。

でも、ピクルスにするならやっぱりきゅうり!
栄養ないけど、利尿効果とダイエットにすごくいい!
現代社会はみんな栄養取りすぎなので、脂肪やプリン体が気になる方にはきゅうりですよ、きゅうり。
ちなみにお酢と合わせると他の野菜のビタミンを破壊しないそうです。なんて理にかなっているの!ビバ、ピクルス!

最後に全くどうでもよい話なのですが、きゅうりといえば伝説の生き物「河童」の好物です。
わたしは小学生のころ「河童だ!」と指を指されたことが2度程あります。
尻子玉、取ってやればよかった。クックック。

夏のめぐみ、夏野菜。
しゃっきり元気、美味しく食べて、どうぞ皆さまも楽しい夏休みを。

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ご馳走様でした!